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2022年06月20日更新
アパートやマンションを売り時に事前に把握しなければならないのは税金です。
自宅を売却するのとは違い、税制優遇(居住用財産特例等)が少ないことから譲渡益が出やすい傾向にあります。
その為、高値では売れて良かったけど、譲渡所得税などを考えていなく、結果的に自分が想定していたよりも手元に残らなかったなんてことにもなりかねません。
アパートマンションを売却するにあたってもこの税金のことを事前に理解する必要があります。
ここでは簡易的ではありますが、売却したときの税金について纏めしたのでご参考にしてください。
①アパートマンションの売却代金-(②アパートマンションの取得費+③売却する為の譲渡費用)=譲渡所得
いわゆる売買契約書に記載されている代金
取得費とは売却不動産を入手するための費用です。これは、土地と建物により多少異なります。
土地取得費 | 例 土地購入代金・仲介手数料・売買契約書の印紙代・登録免許税・不動産取得税etc. |
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建物取得費 | 土地とほぼ同様(新築の場合には請負工事費等が取得費となる)であるが、異なる点としてはその所得費から減価償却累計分を引かなければならない。 ※減価償却については【アパート売却の前に知っておくべきこと】でも触れておりますので、よかったらご参考にそちらの記事もご覧ください。 |
上記で算出したときに譲渡益が出た場合には、決められた税率を乗じて税額を算出します。
つまり譲渡益が出ない場合には課税されません。また、不動産の譲渡所得は「分離課税」という扱いになります。
平成16年の税制改正により事業用不動産の譲渡損が発生しても損益通算されません。
もっとも1年間に2件以上の土地・建物を譲渡した場合には譲渡所得の間でだけは通算することができます。
譲渡所得税(1月1日において)
所有期間5年以下 | 譲渡益 × 短期譲渡 39.63%(所得税30%住民税9%復興特別所得税0.63%) |
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所有期間5年超え | 譲渡益 × 長期譲渡 20.315%(所得税15%住民税5%復興特別所得税0.315%) |
※減価償却については【アパート売却の前に知っておくべきこと】でも触れておりますので、よかったらご参考にそちらの記事もご覧ください。
ここがわたくしとしてはすぐに確認して欲しいところです。なぜなら、この証明ができるかできないかによっては譲渡所得税が大きく変わってしまう可能性もあるからです。
取得費を証明するには土地の売買契約書、建物の請負契約書(売買契約書)、領収証などが必要になります。
これがない場合には、売却代金の5%を取得費とすることができます。しかしながら、大体のアパートマンションの売却の場合、5%の取得費では実際の取得費よりも少ない場合が多く、結果的に譲渡所得税が高くなるケースが多々ございます。
また、建物は請負契約書があるが、土地は先祖代々引き継いできた為、購入代金などの取得費が不明ということがよくございます。
その場合には下記のように各々で取得費を算出することができます。
土地建物 取得費不明(証明できない場合) | 土地・建物売買代金×5%=土地建物取得費 |
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土地のみ 取得費不明(証明できない場合) | 建物取得費+土地売買代金×5%=土地建物取得費 |
※相続、遺贈、贈与により取得不動産は被相続人や贈与者が取得した価格を引き継いで取得を算出します。
原則、事業用不動産の建物部分を売却した場合には消費税が課されます。
ただし、「消費税納付義務を持つ課税事業者」に区分されない場合は、建物部分も消費税を納める義務はありません。
(平成35年以降は『インボイス方式』が、導入されるため、納める義務ではなく消費税部分は預からないと・いう考え方です)その為、自分が消費税納付義務を持つ課税事業者に該当しないか確認しておきましょう。
アパートマンション売却時に譲渡所得税が発生した場合には、「特定事業用資産の買換え特例」を使えることもできるかもしれません。
ただし、この特例は譲渡所得税の免除ではなく、あくまで課税の支払いを繰り延べることができ、直近の経費削減や節税対策になるという特例になります。
この特例については、適用条件があります。一部ですが抜粋しましたので、ご参考にしてください。
以上のように、アパートマンションの売却に係る税金だけでも複雑でわかりづらいところもあったかと存じます。
また、大家業にとっては平成16年の税制改正などをきっかけに今後も厳しい税制になっていく可能性もありますので、もしもご売却をご検討されているようであれば、アパートマンション売買の知識と経験が豊富な株式会社リブロへぜひ一度ご相談下さいませ。
赤堀 英立(リブロ・アセット株式会社代表取締役)
静岡市内で不動産業を経験し同社代表に就任。
テーマは「住まう人と不動産。地方から始める地域改革。」